かたこりの日記

迷っていると思い込みながら
実は心はもう其処へ向かっている。
何時でも引き返せると思いながら、
引き返す気など無い。
気持ちは驀地だ。
緊張感を誤摩化すため、
無関心を装いながら集中する。
何を選択するかで別れる先を、
どんどん一本道に変えていく。
不安が払拭されていく。
そこまで行って初めて思う。

「決めた」と。

なかなかの遠回りだが、
そうする事で集中力が増していく。
そうする事が自分の最良だと知っている。
一人で働くと、どこに自分の時間を挟むかは
結構大きな問題だ。
今回はうまく行きそうだ。

子供の頃に見た風景。
濃い碧の水平線に沈んでいくものは
強烈な色彩なのに熱を感じなかった。
ゆっくり飲み込まれていく姿は
瞬きさえさせてくれなかった。
空に創られるグラデーションは綺麗過ぎて、
子供の俺にも簡単に絵に描けそうだと思った。
其処を星が埋め尽くした時も、
見上げると下手な特撮のセットのような
夜が落ちて来そうで尻餅をついた。
月があんなに明るいなんて知らなかった。

パソコンを置き、カメラを置いて出かけよう。
データなんていらない。
必要なのは圧倒的な現実だけだ。

静かだといい。

美しいといい。

晴れでも雨でもいい。

自分の感覚が変わっていないといい。



さあ、行こうぜ。